胃腸肛門ランド

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胃がないとどうなってしまうのか?

こんにちは!胃腸肛門ランドです。
お久しぶりの更新となってしまいましたが、みなさんは暑い夏を健康に過ごせましたか?
まだ残暑が続きますが、たくさん食べて元気に毎日をすごしましょう!

さて、今回は“食べる”に関係した体の臓器のお話し・・・ズバリ「胃」です。
胃は胃がんの治療の際に、胃の全体を切除する外科手術(胃全摘術)を行うことで体からなくなってしまうことがあります。胃はご飯を食べた後に食べたものを消化してくれる大切な臓器なのは勿論お分かり頂けると思います。そんな胃が「もしもなくなったら」と考えると…ちょっと怖いですよね。
胃がなくなってももちろん消化力に影響はありますが、日常生活を送ること自体はできます。
今回は「胃がないとどうなるのか」についてお話しいたします。

胃の役割

胃の大きな役割は、食べたものを一時的に蓄えて攪拌(かくはん)して消化し、小腸へ少しずつ送りだしていくことです。
また、体に必要な成分を分泌する役割も果たしています。胃に蓄えられた内容物は胃液と混ぜ合わさり、胃液の強い酸によって内容物が殺菌されて、ドロド口の粥状になります。
胃は、食物が小腸で効率よく消化吸収できるように下準備をし、少しずつ十二指腸へ送りだすポンプのような役割をしている臓器なのです。

胃がないとどうなるの?

胃はなくても生活を送るだけなら問題ありません。
もし胃を全摘出したら、「食べ方」の工夫で胃の働きを補うことになります。具体的には、口や小腸に胃の働きを肩がわりしてもらうのです。
では、胃がある体とない体ではどう違うのか3つに分けてお話しします。

1、食事の量

食事を今まで通りの速さで食べることは出来なくなってしまいます。胃がなくなってしまうことにより、食べたものを一時的に蓄える働きが無くなってしまうので、一度にたくさんの量を食べられなくなってしまいます。
食べ物を蓄える臓器がないので、食べ過ぎてしまうと小腸液や食物が食道へ逆流しやすくなり、逆流性食道炎を引き起こす原因になります。食べ過ぎを防ぐ為に、1回の食事量を少なくする事(低容量高カロリー)や、栄養不足にならない為に食事の回数を1日5~6回程度に分けるなど、工夫して摂取する必要があります。

2、食事の食べ方

口の中でよく噛んでから飲み込むようにし、胃が小腸に消化物を送りだすように、「少しずつ、ゆっくり」食べることが必要になります。
また、消化能力が低下する為、十分に栄養にならず体重減少に繋がることがあります。食物がダイレクトに消化物が小腸に流れてしまうため、下痢や便秘になりやすく、また術後の癒着による腸閉塞をきたすこともあります。

3、その他の体への影響

 

胃がないことでカルシウムを吸収する機能が低下し、骨がもろくなり、骨粗鬆症になったり、鉄分やビタミンB12(赤血球の生産に欠かせないビタミン)の摂取が困難となり貧血や神経炎になってしまうことあります。

まとめ

体の中に当たり前に存在する“胃”という臓器がないとその後の影響は大きく、胃がどれほど重要な臓器であるのかがよくわかりますね。
冒頭でもお話ししましたが、胃を全部切除するような場合は胃がんが多く、こうした胃がんにならないようにも、ピロリ菌の除菌や胃の内視鏡検査を定期的に行うなど、要点を押さえた健康管理に努めていくのが大切だと言えるでしょう。

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