胃腸肛門ランド

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腸のジェットコースター

 

目次

あなたの「腸」はジェットコースターのような快速な動きをしていますか?
腸のジェットコースターのコースは4つ!あなたはどのコースが知りたい?
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ポリープエリア

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大腸ポリープ


■大腸ポリープとは
大腸の粘膜の一部が隆起したもので、直腸とS状結腸に高い確率で発生します。大腸ポリープは大きく「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」の2種類に分類され、腫瘍性ポリープの大部分は良性で、腺腫と呼ばれます。大きさが増すに従って部分的に小さな癌を伴っていることが多くなり、放っておくと癌になる場合があります。
非腫瘍性ポリープには、ポイツ・イェガース型ポリープ、小児に多い若年性ポリープ、高齢者に多い過形成性ポリープ、腸炎後にみられる炎症性ポリープなどが含まれますが、いずれも良性で癌とは無関係といわれています。
大腸ポリープができる原因はまだはっきりとはしていませんが、生活習慣などと関係があるのではないかと考えられています。脂質や動物性タンパク質を過度に摂ると腸の中で発癌物質が多くなりやすく、食物繊維が不足していると便がスムーズに排泄されにくくなります。そうすると腸内で発生した発癌物質が排出されないまま長く居座ることになるため、腺腫や癌が引き起こされやすくなるという理屈です。
また、遺伝により大腸ポリープが発生することがあます。これを家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)といいます。非常にたくさん(100個以上)のポリープができる遺伝病で、高率で大腸癌が発症すると報告されています。

■大腸ポリープの症状
小さなポリープは症状がないことがほとんどです。しかし、大腸ポリープが大きくなってくると症状が出てきます。
多くある症状は血便ですが、肉眼的には異常を認めず便潜血検査で陽性となり初めて便に血が混じっていたことに気づく場合があります。また、痔によっても出血することがあるため痔による症状であると思い込んで放置をしてしまい、大腸ポリープを見逃してしまうことがあります。将来的に癌化するものの場合、進行した大腸癌などとりかえしのつかない事態に陥るリスクがありますので症状を見過ごさず病院にいくことが大切です。

■大腸ポリープの検査法
便鮮血反応検査
大腸透視検査(バリウム)
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

■大腸ポリープの治療法
大腸ポリープの治療方法の一つとして、内視鏡による切除が挙げられます。
ほとんどの病院では、検査をおこなった際に小さいものならその場で切除を行います。ただし、大腸ポリープが大きい場合には内視鏡による切除が複数回行われたり、開腹手術が選択されるケースもあります。最近技術が進歩し腹腔鏡と呼ばれる内視鏡により大腸ポリープを取り除く方法があるため、この治療をする場合は開腹の必要はありません。

■日常生活で気をつけること
大腸ポリープの原因が、食生活の欧米化によって動物性タンパク質や脂肪を過剰に摂取していることが関係していることから、ポリープができるのを防ぐためには1日3食規則正しく食事をとり、食べ過ぎを避けることが大切と考えられます。
肉中心の食生活をあらためましょう。特に赤身肉と呼ばれる牛、豚、羊の肉は大腸癌を起こしやすいということが日本だけでなく世界中の研究で明らかになっています。また、加工肉(ハム、ソーセージなど)は大腸癌の危険因子として知られています。(日本人を対象とした研究ではそういった結果は出ていませんが気を付けることに越したことはないでしょう)
また、便秘がちな人も大腸内の腸内環境が悪化しているため、大腸癌の要因のひとつと考えられています。なるべく食物繊維の多い、野菜やイモ類、豆類、海藻類を積極的に摂取することで、便の量を増やして便秘を防げるとともに、腸内環境を改善し悪玉菌を抑え善玉菌の働きを活発にすることによってリスクを減らすことができます。植物繊維は、食品の種類によって効果が異なることから、多くの種類をとることが理想的です。
肥満や運動不足、アルコールの過剰摂取、喫煙も、大腸癌に影響するとされるものです。全てを気を付けることは難しいと思いますが、小さいうちに切除してしまえば問題ない場合が多いので、定期的に大腸内視鏡検査を行い癌を防ぎましょう。

大腸癌


■大腸癌とは
長さ約2mの大腸(盲腸・結腸・直腸・肛門)に発生する癌で、日本人ではS状結腸と直腸にできやすいといわれています。大腸粘膜の細胞から発生した腺腫という良性のポリープの一部が癌化して発生したものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。粘膜の表面から発生したあと、大腸の壁に次第に深く侵入していきます。進行スピードはゆっくりですが、進行するにつれてリンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移していきます。

■大腸癌の症状
早期の大腸癌に自覚症状はほぼありませんが進行してくると症状が出てきます。血便・下血・下痢と便秘の繰り返し・便が細い・残便感・膨満感・腹痛・貧血・原因不明の体重減少などが起こります。中でも頻度が高い血便については、痔などの良性疾患でも同じような症状が起こるため、痔による症状であると放置してしまい、進行してから気づくことが多くはありません。とりかえしのつかない事態に陥るリスクがありますので症状を見過ごさず病院にいくことが大切です。

■大腸癌の検査法
便鮮血反応検査
大腸透視検査(バリウム)
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
直腸診

■大腸癌の治療法

内視鏡治療

早期大腸癌の場合には大腸内視鏡検査を受け、見つかった際に切除を行います。
全ての施設ではありませんが、大腸の粘膜を削ぐようにして内視鏡のみで治療するESDという治療が行えるところもあります。

手術

癌が大きい場合や進行癌であった場合は手術により癌とその近くの腸管の切除が行われます。病院によって治療方法は異なりますが、一時的に人工肛門を造る必要性がある場合と、一度で癌のある腸管だけを切除して同時に腸をつなげることで人工肛門を造らずに済む場合があります。

化学療法

手術ができない場合、また手術で取りきれない場合などにおいては抗癌剤による化学療法がおこなわれます。通院の頻度は治療回数や抗癌剤の組み合わせによっても異なりますが最初の頃は1週間に1度は通院が必要になる場合が多いです。

■日常生活で気をつけること
食生活の欧米化によって動物性タンパク質や脂肪を過剰に摂取していることが関係しているのではないかと考えられています。そのため1日3食規則正しく食事をとりましょう。また、肉中心の食生活をあらためましょう。赤身肉と呼ばれる牛、豚、羊の肉は大腸癌を起こしやすいということが日本だけでなく世界中の研究で明らかになっています。とくに、加工肉(ハム、ソーセージなど)は大腸がんの危険因子として知られていますが、日本人を対象とした研究ではそういった結果は出ていませんので、大量に食べなければそれほど心配ないと言えます。
また、便秘がちな人も大腸内の腸内環境が悪化しているため、実は大腸癌の要因のひとつと考えられています。なるべく食物繊維の多い、野菜やイモ類、豆類、海藻類を積極的に摂取することで、便の量を増やして便秘を防げるとともに、腸内環境を改善し悪玉菌を抑え善玉菌の働きを活発にすることによってリスクを減らすことができます。植物繊維は、食品の種類によって効果が異なることから、多くの種類をとることが理想的です。
肥満や運動不足、アルコールの過剰摂取、喫煙も、大腸癌に影響するとされるものです。
定期的に大腸内視鏡検査を行いポリープを小さいうちに切除してしまうのが理想的です。

潰瘍性大腸炎


■潰瘍性大腸炎とは
大腸粘膜にびらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性炎症性疾患です。(びまん性:病変がはっきりと限定されずに全身などに広範囲に広がっている状態)
症状の再燃と緩解を繰り返す特徴があり、直腸から連続して大腸全体に病変が広がっていきます。将来、癌化しやすいという特徴があり、治療が長期にわたることが多いため難病に指定されている病気です。厚生労働省は潰瘍性大腸炎を「特定疾患」に指定し「特定疾患治療研究事業」として医療費の助成を行っています。
潰瘍性大腸炎は、自覚症状のある「活動期」と大腸の炎症が治まって症状がなくなる「寛解期(かんかいき)」を繰り返します。また、寛解期から再び活動期に移行することを「再燃」といいます。
20~30代に多く発症するといわれていますが、50~60代で発症したケースも報告されています。発症年齢のピークは、男性では、20~24歳、女性では、25~29歳です。
発症する原因は喫煙者は非喫煙者よりも発症率は下がるといわれることもありますが、現段階では研究中ではっきりとした結論は出ていません。

■潰瘍性大腸炎の症状
血便・粘血便・腹痛・下痢が起こります。症状が悪化してくると、体重減少や貧血、発熱を認めることがあります。主な症状は腸の炎症に由来するものですが、症状の進行とともに腸以外、具体的には関節炎や膵炎、皮膚症状などをともなうこともあります。
ダメージを受けている腸の粘膜病変の範囲と重症度によって症状は変わり、重症になるほど便に血液が混じるようになります。
また、潰瘍性大腸炎の寛解期は症状が落ち着いているため日常生活でもほとんど制限なく過ごすことができます。

■潰瘍性大腸炎の検査法
血液検査
便鮮血反応検査
大腸透視検査(バリウム)
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

■潰瘍性大腸炎の治療法
潰瘍性大腸炎と診断された場合は、大腸病変の範囲や状態、その重症度、QOL(生活の質)などを考慮して治療方法を決定しますが、基本的には薬物療法になります。一般的に使用する薬はサラゾピリン・ペンタサ・プレドニン(ステロイド)です。症状が軽い場合はサラゾピリン・ペンタサを使い、炎症が進んで下血が出るようになればプレドニンを使います。
下血がひどい場合やステロイド20~30mg/1日くらい使うようになったら入院が必要な場合もあります。
薬物療法の目的は潰瘍性大腸炎を完治することではなく、大腸粘膜の異常な炎症を抑えて、症状をコントロールすることです。症状が落ち着いているからといって内服を勝手に中止すると再燃する恐れがあるので注意が必要です。

■日常生活で気をつけること
完治は難しい病気といわれており、薬物治療と食生活で寛解期を維持することが大切になってきます。
症状が落ち着いている寛解期は、暴飲暴食や脂肪分の多いもの、刺激の強い香辛料や熱いものや冷たいものは控えるようにしましょう。
また、乳酸菌やビフィズス菌などのような腸内細菌叢を積極的に摂り、腸内環境を整えるようにすると効果的です。
炎症が強く病気の活動性が高い再燃期の食事は、寛解期の食事のポイントに加え、低脂肪食を常に心がけましょう。また、腸の炎症が強く、体にとって必要な水分や栄養素が十分に吸収できないほか、下痢や粘血便として塩分やカリウムも体外へ排出されてしまうため水分は一気に飲まず、少量ずつ飲むようにしましょう。さらに、発熱や下痢をくりかえすときには、水分だけでなく、塩分やカリウムも適宜補充することを心がけましょう。
そのほかにも、睡眠不足や過労には注意し、規則正しい生活を心がけて下さい。そして、ストレスが再燃のきっかけとなることがありますのでストレス発散を心がけるようにしましょう。

虚血性腸炎


■虚血性腸炎とは
虚血性大腸炎は動脈の内部に悪玉コレステロールや中性脂肪などがこびり付き、血管本来の柔軟性や収縮性が失われたことにより、血が行き渡らない「虚血(きょけつ)」状態になる事で発症します。
そのため、健康診断で「動脈硬化」「高血圧」「高コレステロール」の数値について指摘された方や、少し高めの方は誰でも発症する可能性の有る病気です。また、便秘によって便が腸にたまり圧迫を受けることによっても発症する場合があります。
原因の多くは動脈硬化ですので年配の方に多い病気です。特に50歳以上で便秘がちな人に多いという傾向もあります。再発はまれですが、動脈硬化がひどい場合には発症する可能性があります。
虚血性大腸炎は、重症度から一過性型<狭窄型<壊死型に分類されます。
一過性型はむくみや粘膜下出血が主体です。症状は数日でおさまり、短期間で正常な大腸に回復します。下血が認められるため重度の病気と思われる方が多いですが、虚血性腸炎の多くは軽症の一過性型になります。
狭窄型は症状が長引き、治癒するまでに2~3ヶ月を要します。
壊死型は血流が改善せず腸管が壊死し、症状が急速に進行して腹膜炎や敗血症性ショックを併発する恐れがあり、死に至る場合もあります。

■虚血性腸炎の症状
突然強い腹痛に襲われ下痢や下血を引き起こすのが特徴です。冷や汗や吐き気、時には発熱を伴うこともあります。特に左下腹部に強い痛みを感じることが多く、虚血性大腸炎の診断基準にもされています。痛みは徐々に良くなっていきますが、下血は数日間続きます。
ほとんどの場合は数日で症状が治まる一過性のものですが、1週間以上続く場合には腸が狭くなる狭窄を引き起こしている場合もあります。また症状があまりにも激しいタイプの場合には腸に穴が空いてしまっている場合もあります。

■虚血性腸炎の検査法
大腸透視検査(バリウム)
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
血液検査(確定診断はできない)

■虚血性腸炎の治療法
一過性型の場合は基本的に入院し、腸管の安静を保つための治療を行います。絶食、輸液、二次感染防止のための抗生剤投与などを行いて経過をみていきます。強い腹痛に対しては対症療法として鎮痙薬や鎮痛薬を投与し痛みを抑える場合もあります。症状が改善したら食事を少しづつ摂取していきます。
狭窄型は、狭窄が高度の場合には手術が必要になります。
壊死型は死に至る場合もあるため緊急の手術が必要になり、壊死した大腸の外科的切除が必要になってきます。

■日常生活で気をつけること
動脈硬化や便秘が発症の原因になりますので、日頃から動脈硬化や便秘にならないように注意して過ごしましょう。
動脈硬化にならないためには肝臓に良い食事を心がけることで予防できます。具体的には「タウリン」が含まれている食事がよく、魚介類や貝類に多く含まれています。(サザエ・牡蠣(かき)・ホタテ・カツオ・ブリ・さんまなど)そして、糖分や脂肪、塩分の摂取を控えましょう。
便秘対策も基本は食生活です。まずは水分補給をしましょう。水分不足になると便が硬くなって便秘を引き起こします。反対に、水分を含んだ便はかさが増して腸に刺激を与えて便意を促しますので、水分を摂る習慣をつけましょう。
また、食物繊維は腸のぜん動運動を促し、スムーズな排便を導く働きがありますので、根菜類、大豆、海藻類、きのこ類など、食物繊維が豊富な食事を摂るようにしましょう。

腸管気腫症


■腸管気腫症とは
「腸管気腫症(ちょうかんきしゅしょう)」または「腸管嚢腫様気腫症(ちょうかんのうしゅようきしゅしょう)」といわれる消化管壁内に多数の嚢腫様気腫が認められる「症候群」です。
嚢腫様とは腸管壁に気体が入った袋状の出来物ができた状態です。
例えば、癌やポリープならば、腫瘍の中に細胞がギッシリで、この細胞が悪い方に変異してしまうと悪性になるわけですが、この「腸管気腫」の場合は中には気体が入っているので悪性も何もありません。内視鏡検査時に生検鉗子(せいけんかんし)でつまむと気体が出てきて無くなってしまう、なんて事もあります。
ちなみに、レントゲンでは中身が気体なだけに見事に真っ白になって見えます。
気体が入り込んでしまう原因としては、圧力をもったガスが腸管の粘膜の潰瘍や裂け目などを通って腸管壁内に進入したという説や、薬の副作用説(主にステロイド剤)、細菌説など…沢山の説があります。
大腸内視鏡検査で発見されることがありますが、この「腸管気腫」は本当に稀で、おおよそ1万分の1程度の確率の希少所見と言えるでしょう。

■腸管気腫症の症状
特になし

■腸管気腫症の検査法
レントゲン検査
CT検査
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

■腸管気腫症の治療法
基本的に治療は不要で自然治癒してしまうことが殆どでが、文献的には濃度酸素療法・高圧酸素療法・漢方や絶食と点滴などで治療することもあるようです。

■日常生活で気をつけること
基本的には特にありません。ただし、大腸ポリープや癌の早期発見は重要ですので、定期的に大腸内視鏡検査を受けて、大病の芽を摘んでおきましょう。

腸閉塞(イレウス)


■腸閉塞(イレウス)とは
普通口から摂取した飲食物は、胃、小腸、大腸を通って消化・吸収され、便となって肛門から排泄されますが、腸閉塞は、腸の一部が狭くなったり、動きが悪くなることで内容物がつまり、お腹がはって痛みが出たり、吐き気が起きたりする病気です。
原因としては開腹手術(胃、虫垂炎、胆石、大腸の手術など)をしたことがある方にあてはまります。大腸の癒着とは、腸管と腸管がくっついた状態です。開腹手術時に、お医者さんが腸管を触ったりして傷が付き手術部位が修復しようとして別の場所の腸管とたまたまくっついた状態で治っていくと癒着という状態になります。大腸の癒着だけなら問題ないのですが、腸管内に物の移動が出来ないほど癒着がひどくなると腸閉塞となります。
また、大腸癌・ヘルニア・胆嚢炎・胃潰瘍、小児の腸重積の病気が原因である場合もあります。

■腸閉塞(イレウス)の症状
突然、腹部が膨満し、強い痛みと吐き気や嘔吐が起こります。痛みは、激痛が続く場合と、強い痛みが出た後症状が治まってくるなど、強弱がくりかえされる場合があります。
また、腸のつまりが酷くなると、腸の内容物が逆流し、便の臭いがする汚物を吐くこともあります。

■腸閉塞(イレウス)の検査法
レントゲン検査
超音波検査
CT検査

■腸閉塞(イレウス)の治療法
絞扼性腸閉塞(一部が締め付けられて血液が流れなくなり、腸が壊死してしまう病気)でなければ、ほとんどは手術以外の方法で治ります。
病状が軽い場合は食事や飲水を中止して胃腸を休め、十分な補液を行います。
病状が進行して、腸の張りが強くなった場合は、鼻から胃や腸まで管を入れ、嘔吐のもととなる胃や腸の内容物を体の外に汲み上げます。腸の張りが少なくなれば、腸から吸収され快方に向かいます。 おならや便が出れば、腸の通過障害は一応治ったことになりますが、腸が詰まった原因、つまり癒着や腸がはまり込んだおなかのくぼみは治らないため、再発の危険は残ります。

手術的治療は、お腹を切ることで新しい癒着をつくることになり、腸閉塞にいっそうなりやすくなってしまうため避けるのが一般的ですが、腸の血管が圧迫されたり、ねじれたりする絞扼性腸閉塞や、保存的治療を1週間以上続けてもよくならない場合などは手術が必要になってきます。

■日常生活で気をつけること
腸閉塞は食事のとり方や食事内容によって予防が可能です。腹痛や便秘気味だと感じたら、まずは食生活を見直すことが大切です。暴飲暴食は腸に負担がかかってしまい、便秘やつまりの原因になるので気をつけましょう。水溶性食物繊維を摂取するようにすると、スムーズに便が排出され、便秘の解消なります。また、体質改善にもつながり、消化されない食物繊維を腸まで素早く運ぶため、腸の動きが活発になり腸の癒着が起こりにくい体になります。
腸閉塞の予防で、特に注目されているのが乳酸菌です。乳酸菌は腸内環境を整える善玉菌のひとつで、腸内を弱酸性の状態に保つことで、悪玉菌の増殖を抑制し、腸の動き自体を高める役割も持っています。これにより腸閉塞の直接の原因となる癒着を防ぐことが期待されています。

腸重積


■腸重積とは
本来は口から肛門まで1本のトンネルであるはずの腸管の一部が、肛門に近いほうの腸管に入り込んで重なってしまった病気です。つまり腸の中に腸が押し込まれた状態になるのです。患者の80%~90%が生後3,4カ月〜2歳までの幼児と言われており、男女比は2対1と男児に多いと報告されています。
多くは原因はっきりとわかっていませんが、風邪が治ったあとに起こりやすい傾向があり、ウイルスの腸管感染による腸蠕動の異常が原因とする考え方が有力です。メッケル憩室、ポリープ、悪性リンパ腫やアレルギー性紫斑病などの基礎疾患が原因として指摘されています。

■腸重積の症状
主な症状としては、周期的な激しい腹痛、顔面蒼白、不機嫌、嘔吐、血便などが挙げられます。乳児の場合は急に泣き出したり、泣きやんだりを周期的に繰り返すという特徴があります。泣き方も突然で、火がついたように泣く場合が多いようです。激しい腹痛や嘔吐を伴い、幼児の場合はお腹を抑えながら痛みを訴えます。約15分おき位の短い周期で症状が良くなったり悪くなったりを繰り返し、次第に顔色が蒼白にかわり、ぐったりとした状態になります。
またお腹を触ると、右上に細長くて固いしこりが見られる場合があります。そっと触ると、極度に痛がったり泣きだす場合は、腸重積の疑いがあります。
症状がさらに進行していくと、血便が出るようになります。血便は、最初のうちは粘液が混じった淡い状態ですが、放っておくとイチゴジャムのような真っ赤な血便にかわります。鮮やかな血便は、重症化のサインです。

■腸重積の検査法
超音波検査
レントゲン検査
触診

■腸重積の治療法
乳幼児が腸重積にかかった場合は、基本的に高圧浣腸を行います。これは空気や造影剤を肛門から腸に入れて、腸が重なり合った部分を膨らませて、腸管をもと通りに戻すというやり方です。この方法で、だいたい8割~9割の腸が正常になります。
しかし、高圧浣腸で治らない場合や発症から24時間以上経っている場合は、開腹手術による治療が必要になってきます。
開腹手術では、もぐりこんでしまった腸を押し出し、壊死した部分があれば切除し正常な腸同士をくっつけます。手術をした場合は、一般的に10日以上入院する必要があります。
成人の場合は、徒手整復という手を使って身体の外から腸を正しい位置に戻そうとする治療が試みられる場合もあります。しかし、成人の腸重積の場合、他の病気がきっかけとなって腸重積が起きることが多いため、徒手整復だけでは治りきらず腸を切除したり、あるいは徒手整復を行わずに腸切除を行うケースがほとんどです。

■日常生活で気をつけること
予防法の一つとして、ロタウイルス感染(乳幼児をはじめ子どもに多い急性胃腸炎)を防ぐための予防接種を受けるということが挙げられます。
ただし、この予防接種自体が腸重積の原因になるとも言われているため、接種後1週間は特に注意し、症状があらわれなくても1か月は意識しておくようにしましょう。異常が見られたときは、12時間以内に病院に行くのが望ましいです。
腸重積は、乳幼児に起こることが多い病気です。まだ言葉を発することは難しいため、周囲の大人が早期に気づくことが重要になってきます。日頃からよく観察し重症化する前に病院に行くようにしましょう。

腸捻転


■腸捻転とは
腸捻転は、腸が捻じれて腸内容物の通過が停止してしまった状態(腸閉塞の一種)です。腸閉塞(イレウスと呼ばれます)にはいくつか分類があります。

①機能的イレウス…腸管の運動障害で内容物が停滞しておこる
②機械的イレウス…腸管の屈折やねじれ、腸壁の腫瘍(大腸ポリープ、大腸癌)などによって通過障害がおこる
の2種類に大別されます。
②の機械的イレウスは、更に単純性イレウスと複雑性イレウスにわかれます。「腸捻転」はこのうち、機械的イレウスの方に分類され、その中から更に複雑性イレウスに分類されます。
腸捻転の多くは腸への血流障害も伴うため「絞扼性(こうやくせい)イレウス」と呼ばれ、腸管の壊死という危険性もある怖い病気なのです。
主な原因は、腹部の手術後の癒着・S状結腸軸捻症・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)・高齢・便秘などです。
特に、高齢になると腸蠕動の働きの低下により便秘傾向となります。便が排出されずにS状結腸へ貯留すると腸に重みなどの負担がかる事により腸が捻じれてしまいます。また、骨盤が狭く腸の動きが抑えられがちな男性にも多く見られます。■症状
腹痛・嘔吐・排便、排ガスの停止・腹部膨満です。
腹痛は、腸が捻じれて締め付けられるような激しい絞扼痛になりとても辛い痛みです。
嘔吐は初期からみられますが、その後も腸内容物が貯留することにより反復して嘔吐がおこり、閉塞部位が腸の高位(口側)であるほど嘔吐の出現は早く、頻回です。また、腸の下位(肛門側)の閉塞では糞臭を帯びてくるのが特徴です。

■腸捻転の検査
血液検査
超音波検査
レントゲン検査
CT検査

■腸捻転の治療法
腸捻転の場所や具合によって治療法が変わってきます。
腸捻転は全身状態が急激に悪化するため、緊急開腹手術を行うことが多いです。腸の捻じれを治し、癒着部分の剥離や伸びた腸管を切除します。
また、組織の壊死や腹膜炎のない初期であれば1週間~10日くらいの入院で、点滴などで脱水や栄養状態を観察しながら絶食し、鼻にチューブを挿入し、胃の内容物を吸引するなどの保存的治療を行う場合があります。

■日常生活で気をつけること
腸捻転は主に便が腸に溜まってしまう事が原因と考えられます。
便秘解消には食物繊維を豊富に摂取することも大切ですが、ストレスを溜めない事も重要です。腸もみマッサージ(おへその下に手を当てて、ゆっくりと時計回りにマッサージするなど)などを駆使して、なるべく便を貯めずに腸が下に引っ張られない様にすることが予防につながります。