胃腸肛門ランド

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妊娠時の痔を予防する方法は?

こんにちは、胃腸肛門ランドです。
梅雨空が恨めしいこのごろ・・・という時期ではありますが、ここ数日は厳しい暑さが続いていますね。
いかがお過ごしでしょうか。水分を多めに摂り、体調には十分気を付けて下さいね。

さて、ついに最終回を迎えました!妊娠中は痔になりやすい!?シリーズ!
最終回は「妊娠時の痔を予防する方法は?」についてお話ししていきたいと思います!

予防の為には、まず原因を知らないと!ということで・・・
まず、「何が原因で痔が起こりうるのか」お話ししていきたいと思います。

妊娠中の痔の原因

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer」にて2017年8月3日から
同年8月7日にかけて行われ、医師157名から回答をいただきました。

≪妊娠中の痔の原因 第1位は「便秘」≫

産前の痔の主な原因として、約7割の医師が「便秘」と回答しました。
妊娠中期以降に突入をすると、胎児が成長してお腹が大きくなっていくので、子宮が腸を圧迫し、便通が悪くなると言われています。お腹で元気な赤ちゃんを育てるためには仕方がないことですが、もともと便秘気味な人はもちろん、便通の良い人も便秘になってしまうことが多いとされています。
では、妊娠と便秘の関係が分かったところで、どうして便秘が痔の原因となってしまうのかを見ていきましょう。

なんで便秘が原因になるの?

それは肛門部に負担がかかるからです。
便秘になると便が硬くなります。硬い便を外に出すことは肛門部を刺激し負担がかかります。
また、硬い便は排便時にいきむ(強い力を込める)ようになってしまい、下腹部に力を加えるため更に肛門部に負担がかかる結果となります
便秘はこのような状態が長年にわたって続くので、痔核のいちばんの原因となります。

ちなみに、便秘の逆とも言える「下痢」も肛門にはよくありません。こうした下痢便は勢いで排便されるので、どうしても肛門部を刺激し負担がかかってしまいます。

≪下痢・便秘はホルモンにも関係が…!?≫

妊娠中は、ホルモンバランスが乱れてしまいます。妊娠中に多量に分泌をされるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、消化器官のはたらきを弱まらせる作用があります
そのため、激しい下痢に襲われたり、便秘になったり…と、妊婦さんはお腹の調子を崩しやすい状態にあります。ストレスや疲れを溜めないよう気を付けて過ごしましょう。

どうでしょうか?妊娠と便秘の関係、そして便秘と痔の関係はご理解いただけましたか?原因が分かったところで。これらを予防をするにはどうするのか?を見ていきましょう。

予防するにはどうすればいいの?

予防の為になにをすればいいのか、3つに分けてお話ししていきます!

①便秘予防の為、食物繊維や水分をこまめに摂取する

妊娠中の痔を予防するためには、まず出来る限りの便秘を予防・改善することが大切です。豆やキノコ、ごぼうなどの野菜類、プルーンなどの果物から食物繊維を積極的に摂り、便を柔らかくする為に、こまめな水分補給を心がけてくださいね。

②適度な運動をする

お腹が大きくなってくると運動不足になりがちですが、座りっぱなしの姿勢を取り続けると肛門周りの血管が圧迫されて痔の原因になります。座るときは、肛門周りを圧迫しないようにドーナツ型のクッションを使ったり、30分に1回は椅子から立ち上がったりして、軽く動くようにしましょう。

③入浴、半身浴で温める

肛門周辺の血行が悪いことも痔の原因になりうるので、下半身の冷えを防ぐことも大切です。入浴時はシャワーだけで済ませず、温かい湯船に浸かるのがおすすめです。また、冬場はトイレの便座が冷たいと排便時に肛門に力が入ってしまうので、便座カバーをつけておくのもいいですね。
どれも気を付ければ簡単に試せることばかり・・・生活習慣に関わることばかりでした。この便秘の予防法は妊娠中に限った予防ではありませんので、普段から便秘気味の方も心がけてみましょう

さて、「これをやると良い」ということを知ると「逆にしないほうがいいことってありますか?」という質問の声が聞こえてきそうです。もちろん、痔の予防のために控えた方が良いこともあります。

控えたほうがいいこと

痔の予防のために避けるべきものも意識をすれば避けるのは簡単なものばかりです。

〇長時間の同一姿勢

肛門は体の下のほうに位置し、地球の引力がある関係で同一姿勢が長くなると、どうしても肛門部にうっ血(血が溜まったし状態)を来してしまうので、肛門に負担がかかってしまいます。前述した適度な運動と同じように、長時間同じ体勢を取ることがないように気を付けて生活をしましょう

〇辛い物の摂取

唐辛子、わさび、こしょう、カレー粉などの辛いものも排便の際に肛門部へ刺激を加え負担をかけます。特に唐辛子に含まれるカプサイシンという成分は、消化吸収されないためそのまま刺激物が肛門の粘膜を刺激して痔になってしまうことがあります。
「妊娠をすると食の好みが変わって辛い物がとっても食べたくなる」という方もいるかもしれません。赤ちゃんに悪影響があるとは考えられていませんが、刺激物は消化管に影響を与えやすく胃痛や便秘、下痢の原因になりかねませんので摂りすぎのないように気をつけましょう。

おわりに

妊娠中のお尻の痛みに悩んでいる方も多いのではないのでしょうか?今回はシリーズとして4つに分けてお話をしました。あなたの悩みに合ったタイトルのブログはあったでしょうか?
妊婦は痔になりやすく、一度なってしまうとなかなか治りにくいもの…。特に妊娠後期には痔が悪化しやすく、何をしていても痛みを感じてしまい、眠れないことも…。

妊娠前に痔のチェックをしてみるのもよし、このブログに書いてある対策を試してみるもよし…。妊娠中は痔がなくてもストレスの溜まりやすい時期です。一つでも悩みを解消してお自愛くださいね。

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