胃腸肛門ランド

    ー Gastrointestinal anal land ー

胃の謎解きアトラクション

クイズに答えて胃の病気のことをもっと知っちゃおう!
正解の下には更に詳しい各病気の解説があります。

Q1.胃・十二指腸潰瘍は、ストレス、アルコールの過飲、刺激物の摂取などのライフスタイルに関する原因が挙げられる。その他にも非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)等の薬剤の影響もある。
     

 

 

 

 

 

 

 

Q2.ウィルス、細菌などの感染、アルコールの過飲などが原因になる事が多いのは急性胃炎である。
     

 

 

 

 

 

 

 

Q3. ピロリ菌の除菌治療が終わったら通院も終了してよい。
     

 

 

 

 

 

 

 

Q4. 胃ポリープは「胃底腺」「過形成」「腺腫性」の3種に分かれる。この中で将来的に癌になる可能性があるのは「胃底腺」である。
     

 

 

 

 

 

 

 

Q5. 逆流性食道炎の治療には食生活を含めた日常生活の改善をし、胃酸が逆流をしないようにすることが必要です。胃酸を逆流させてしまう原因として「食べてすぐに横になる(寝る)」ことは当てはまる。
     

 

 

 

 

 

 

 

Q6. 胃癌があっても症状を感じないことがある。
     

 

 

 

 

 

 

 

Q7. 機能性胃腸症は、内視鏡での診断は関係なく今ある症状だけで診断される。
     

 

 

 

 

 

 

 

Q8. 呑気症の男女の割合は男性の方が多いと言われいる。
     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

正解は・・・

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)等の薬剤の影響があります。NSAIDsの他にも抗生物質等の薬剤が攻撃因子として作用し、胃内防御因子とのバランスを崩すことで発症すると言われています。


■胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、粘膜、粘液、粘膜血流などの「防御因子」と、食物を消化する、胃酸やペプシンなどの「攻撃因子」のバランスが何らかの原因によって崩れ、胃や十二指腸の壁の表面が溶けた状態です。両者を合わせて「消化性潰瘍」とも呼ばれています。一般的には、胃潰瘍は中年以降に、十二指腸潰瘍は比較的若い人に多く見受けられます。

■胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状
症状としては、みぞおちの痛みが代表的で、そのほか、げっぷ、不快感、嘔吐、背中の痛みなどを伴うことや、突然の吐血や下血、黒色便などが挙げられます。
胃潰瘍では食後に持続する痛みが、十二指腸潰瘍では空腹時や夜間・明け方に強い痛みが、それぞれ現れることが多いようです。

■胃潰瘍・十二指腸潰瘍の検査法
胃内視鏡検査(胃カメラ)

■胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療法
胃薬を服用し、治療することが出来ます。
また、多くの胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因であるヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)の除菌も長期的には重要です。除菌治療としては、2種類の抗生物質と胃酸の分泌を抑制する薬を1週間内服する方法が一般的です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は再発することがあります。これを防止するため、治療薬を急に止めずに減量して服薬を続ける方法があり、これを維持療法といいます。医師から処方された薬剤は、患者さん1人ひとりの症状にあわせて処方されています。指示された用法・用量を正しく守って服用して下さい。
胃・十二指腸のつらい症状がなくなったからといって薬を止めると、薬で保たれていた胃内のバランスが崩れて再発してしまう恐れもあります。定期的に医療機関を受診して、医師の診断を受けて再発を防止することが重要です。

日常生活で気をつけること

1.長時間空腹のままでいない

食事は1日3回、決まった時間にとるようにしましょう。間食を上手にとり、長く空腹の状態を続けないようにしましょう。
空腹の状態で胃酸が分泌されると、胃酸が直接胃粘膜を刺激し、胃の潰瘍部分が治るのが遅れます。したがって、胃潰瘍の治療中の方は、1日3回、決まった時間に食事をとり、できるだけ空腹の状態が長く続かないように注意しましょう。
ただし、空腹を防ぐために1回の食事の量を多くすると、逆に胃の負担につながってしまいます。食事の量は腹八分目を心がけ、食事と食事の間が長くなるような場合には、コップ一杯の牛乳や酸味の強くない果物(バナナなど)などの間食をとり、空腹の状態が長く続かないような工夫をしましょう。

2.ノーストレスを目指し、食事や生活習慣の改善をする

胃・十二指腸潰瘍の症状を悪化させる要因には、ストレスや食事など日常の生活習慣が関係しています。
ストレスを受け続けると自律神経の働きが乱れ、胃粘膜などの血流が悪化し、傷つきやすくなります。
また、脂肪分の多い食事は、胃酸の分泌を活発にするため、やはり胃粘膜を弱らせる原因となります。
更に、アルコール、香辛料の多い食べ物、コーヒーや紅茶などカフェインの多いものなども、いずれも胃酸の分泌を促進します。
普段は平気でも、胃の調子がよくないときは、こうした飲食物がきっかけで潰瘍の症状が悪化しやすくなります。胃が重く感じたり、少し痛みがあるとき、あるいは胸焼けを起こしたり、ゲップが多いときなどは、こうした飲食物をひかえて、できるだけ胃に負担をかけないようにしましょう。

3.暴飲暴食は絶対にしない

特に良くないのは、仕事や人間関係で問題をかかえてストレスを感じているときに、やけ食い・やけ飲みをすることです。また、仕事や家事が忙しく、睡眠不足気味のときに、宴席などでつい食べすぎたり飲みすぎたりすることも要注意です。ストレスに暴飲暴食がくわわると、潰瘍が一気に悪化し、いきなり出血したりすることもあるので、十分に注意する必要があります。

どんなときも「腹八分目」と「刺激物は控えめに」を心がけることが、胃・十二指腸潰瘍の予防につながります。

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胃炎(4種)
正解は・・・

ウィルス、細菌などの感染、アルコールの過飲が原因の場合、多くの場合は急性胃炎と診断されるでしょう。ただし、その後も症状が続くようであれば慢性の胃炎も疑い、正しい診断のためにも内視鏡検査などが必要です。


■胃炎とは
胃炎には急性胃炎と慢性胃炎があります。
○ 急性胃炎
急性胃炎の主な原因はウィルスや細菌などの感染やストレス、アルコールの過飲など、はっきりしています。
症状により大体診断が予測できますが、胃癌・胃潰瘍・十二指腸潰瘍などが併発していないことを確認するために、場合によっては内視鏡検査も行われます。内視鏡検査では胃の粘膜が部分的に発赤していたり、えぐれていたり、出血していたりしていないかを確認します。

○ 慢性胃炎
慢性胃炎といってもいくつかあり、粘膜の状態によって呼ばれ方が違います。
➢ 萎縮性胃炎→炎症で粘膜の萎縮を生じた状態
➢ 表層性胃炎→胃の粘膜表面に軽い炎症がある状態
➢ びらん性胃炎→炎症で胃粘膜表面が、わずかにえぐれた状態
➢ 肥厚性胃炎→炎症で胃の粘膜が厚くなった状態
いずれも長期間繰り返された炎症から胃粘膜・胃腺に萎縮性の変化が生じたものです。慢性胃炎の原因は、ピロリ菌が深く関わっているといわれています。ピロリ菌がいるかどうかを調べるために、内視鏡の器具で、胃粘膜をほんの少し採る検査を行うこともあります。

■胃炎の症状
○ 急性胃炎
急に胃のはれ、ただれ、出血などが起きるもので、みぞおち部分の痛み、膨満感、吐き気、嘔吐などの症状があり、時に便通異常や下血を伴うことがあります。

○ 慢性胃炎
慢性胃炎では胃もたれや、不快感、食欲不振、胸やけ、膨満感、げっぷなどの症状が現れます。

■胃炎の検査法
胃透視検査(バリウム)
胃内視鏡検査(胃カメラ)

■胃炎の治療法
胃炎の治療薬には、胃酸分泌抑制薬、胃粘膜保護薬、消化管運動機能改善薬などがあります。
○ 胃酸分泌抑制薬
胃を刺激する胃酸の分泌を強力に抑える薬です。
○ 胃粘膜保護薬
胃粘膜分泌促進と血流の改善を促すなどの働きをもつ、いわば胃の粘膜を守る薬です。胃酸分泌抑制薬との併用によって治療効果を高めます。
○ 消化管運動機能改善薬
胃腸の運動を活発にする薬です。胃酸分泌抑制薬や胃粘膜保護薬と併用することにより治療を促進します。

医師から処方された薬剤は、患者さん1人ひとりの症状にあわせて処方されています。指示された用法・用量を正しく守って服用して下さい。服用の時間は、「食前」「食後」など、薬剤が最も効果的に作用するような服用の仕方が示されています。

胃のつらい症状がなくなったとしても、胃炎が治ったとは限りません。症状がなくなったからといって薬を止めると、抑えられていた胃酸の分泌が高まり、胃炎が再発することもあります。出された薬剤はきちんと終わりまで服用して下さい。
胃炎は再発率の高い疾患です。定期的に医療機関を受診して、医師の診断を受けて再発防止につとめましょう。

■日常生活で気をつけること
私たちの胃は非常にデリケートで、ストレスや環境の変化などの原因が加わると胃炎や胃潰瘍になりやすいものです。したがって薬物での治療以外に、常日頃より生活習慣の改善を心がけ、再発の予防をする必要があります。生活習慣の改善ポイントは以下の通りです。

1.喫煙をしない

喫煙は胃粘膜の防御因子の低下や血行障害を引き起こし、さらには癌などの疾患を誘発する原因にもなります。

2.過度の飲酒はしない

アルコールによる胃粘膜への刺激は相当なものです。牛乳やチーズなどの乳製品で胃をガードしてからの適度な飲酒を心がけて下さい。
毎日規則的に食事を取る
食事を抜くと胃腸の運動に変化が起こり、胃酸の刺激を受けやすくなったり、胃酸が出過ぎたりします。きちんとした食生活につとめましょう。

3.刺激物を避ける

コーヒー、お茶などカフェインを多く含む飲み物には、胃粘膜を刺激する働きがあります。とくに空腹時には控えた方が良いでしょう。

4.毎日7~8時間の睡眠を心がける

十分な睡眠時間の確保は胃炎の再発防止にかかせません。睡眠不足が続くと夜間に胃酸の分泌が促され、胃の粘膜に悪影響を与えます。睡眠不足自体がストレスの原因にもなります。

5.運動を定期的に行う

運動は血行を促進し、消化管の機能を活発にします。またストレスの発散にも有効です。

6.ストレスの発散を心がける

休養や運動を含め、ゆとりあるライフスタイルを楽しむことも必要です。

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ピロリ菌
正解は・・・

除菌薬(ピロリ菌を除菌するための内服)を飲んだからとって100%除菌されるわけではありません。そのため、除菌治療が成功したかどうかを確認すの検査(息を吹くだけの検査などの内視鏡以外)をする必要があるので、再来院をお勧めします。除菌成功後も定期的に胃内視鏡を受けることをおすすめします。


■ピロリ菌とは
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は2~5ミクロンの大きさの細菌で、胃の中に生息しています。この菌は強い酵素を生み出しますが、この酵素がアンモニアを作って胃酸を中和するため、この菌は酸性の強い胃の中でも生きていけるのです。
ピロリ菌は1983年、オーストラリアの研究者ワーレン・マーシャルによって、初めて慢性胃炎患者の胃粘膜から分離培養されました。日本でのピロリ菌感染率は年代により分かれ、若年者では10~20%、40歳以上の中高年では30~50%といわれています。
感染経路は経口感染が主といわれ、衛生状態の悪い環境のなかで成長した中高年の感染率と一致します。幼少児の母親からの口移しによって感染するというという説や、井戸水や野菜を摂取したときに感染するという説などもありますが、はっきりとしたデータはありません。

■ピロリ菌の症状
胃もたれや吐き気、空腹時の痛み、食後の腹痛、食欲不振などが挙げられますが、これらはピロリ菌感染症そのものの症状ではなく、ピロリ菌がいることによる胃の病気の症状であることが多いと言われています。

■ピロリ菌の検査法
胃内視鏡検査(胃カメラ)
┗生検組織(粘膜表面組織)で行う検査→迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法
上記を必要としない検査→尿素呼吸器試験、血清、尿中抗体検査、便
※それぞれの検査法に長所・短所があるため医療機関と相談するのがよいでしょう。
※複数の検査を用いればさらに診断精度は高まります。

■ピロリ菌の治療法
ピロリ菌感染の治療は、菌そのものを除菌する方法が選ばれます。除菌治療としては3種類の(2種類の抗生物質と胃酸の分泌を抑制する)薬を1日2回、7日間服用する方法が一般的です。除菌薬は比較的安全なものですが、以下の副作用を伴う場合があります。
①軟便や下痢を起こす
②口の中が苦く感じられる(味覚異常)
③発疹などがあらわれる
もし、何か「おかしいな」と思ったら、すぐに医師に相談しましょう。
除菌治療が終了したら、本当にピロリ菌がいなくなったかどうかを確認します。
一般的には、除菌治療終了後1ヶ月以上経ってから検査が行われます。また、除菌治療後の結果がでるまでの間、胃酸の分泌を抑制する薬を服用するとより安心です。
この除菌治療の成功率は約80%です。除菌が不成功ならば、医師の判断により、別の除菌薬でやり直すことになります。

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胃ポリープ(3種)
正解は・・・

将来癌になる可能性があるのは、「腺腫性ポリープ」です。盛り上がっている部分の細部は正常な細胞とは少し違います。因みに、胃底腺ポリープは癌化しないと言われており、過形成ポリープも癌化をすることはまれだと言われています。


胃の粘膜の一部が盛り上がった状態になっているものを胃ポリープといいますが、一口にポリープといってもいろいろな種類があります。そして、そのいくつかある種類の「胃ポリープ」はほとんどの場合、癌ではありません。


■過形成性ポリープとは
過形成ポリープは非腫瘍性で、胃の出口付近にできやすいといわれています。有茎性(ゆうけいせい)または無茎性(むけいせい)の小さな結節(直径1cm以上の充実性の隆起)として見られ、傷ついた組織が過剰に再生されてできるものと考えられています。
発生は30歳以上といわれ、年齢と共に増加する傾向にあります。腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)(胃癌と非常に関連のある組織)との関連はあまりなく、癌化することはまれであるとされています。

■過形成性ポリープの症状
一般に無症状です。
胃もたれや不快感、食欲不振などの症状がみられることがありますが、多くは同時に発症している慢性胃炎によるものです。過形成性ポリープの場合は、出血により貧血をおこすこともあります。


■胃底腺ポリープとは
胃底腺ポリープは、その名の通り胃底腺(胃酸などを分泌する)の粘膜に発生します。米粒大の小さな無茎性、または亜有茎性の隆起です。数ミリ程度の半球状のポリープで、表面はなめらか、特に色の変化はありませんが、多発します。
女性に多くみられ、女性ホルモンなどの関与の指摘もされていますが、はっきりした原因は不明です。
胃底腺ポリープができる粘膜は萎縮もあまりなく、状態が良好なことも特徴です。つまり比較的元気な胃にできるということになります。また、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の関与も否定的です。胃底腺ポリープは通常は癌化もしませんし、自然に消失することもあります。

■胃底腺ポリープの症状
胃底腺ポリープは、胃酸分泌が盛んで萎縮が少ない胃粘膜に多く発生します。そのことから、過酸症状(胃痛、胸やけなど)を自覚することがあります。ですが、これはポリープそのものの症状ではありません。


■腺腫性ポリープとは
胃の腺腫性ポリープは一般的に「胃腺腫」と呼ばれます。見た目は白っぽく、平坦なこぶのような形をしています。胃ポリープと似ていますが胃ポリープは上皮の過形成によるものに対し、胃腺腫は異型上皮(上皮細胞が変化している状態)で構成されています。また、胃癌と同じ背景の胃粘膜にできます。
前に、胃底腺ポリープは女性にできやすいポリープと紹介しましたが、腺腫性ポリープは女性よりも男性の方ができやすく、また特に高齢の人にできやすいとされています。
胃ポリープはほとんどの場合は癌化しないとされていますが、この腺腫性ポリープは比較的癌化しやすいとされており、2cm以上になると約半数ほどに癌の合併が見られます。そのため、見つかった場合には組織を採取し、その結果がとても重要になってきます。
という良性の疾患を指します。
胃ポリープの大部分を占めるこの良性の疾患は、癌になることがほとんどないので、心配することはありません。ただ、ごく少数ではありますが、癌細胞を含むもの、あるいは「腺腫(せんしゅ)」のように、将来癌になる可能性があるものもあります。したがって、ポリープが見つかったら、まずそれがどんなものかを検査します。

■腺腫性ポリープの症状
これといった自覚症状がないケースが多いのが特徴ですが、ポリープが原因で起きている慢性胃炎がある場合は、みぞおちのあたりの痛み、膨満感、食欲不振などの症状が引き起こされるケースがあります。
また、ポリープの表層部分から出血がみられる場合があり、この状態が長く続くと、貧血を引き起こす原因になります。


■胃ポリープの検査法
基本的に医師が内視鏡検査を行った時に肉眼で見分けはある程度できますが、より完全な方法としては、ポリープの組織を内視鏡を使って切り取り、それを専門家が顕微鏡で調べれば癌細胞かどうかがわかります。良性ポリープの場合、この細胞検査によって癌でないことがより明らかになります。

■胃ポリープの治療法
ポリープの大きさが1cm以下の小さなものなら、過形成性ポリープでも腺腫でも、治療しないでそのまま経過観察してもまず大丈夫です。腺腫の場合は定期的な検査の必要性はより高いと言えるでしょう。

○ 胃ポリープの切除
胃ポリープのほとんどは癌でないとはいえ、一部のものはポリープから出血したり、癌化したりする可能性があります。そこで、2cm以上の大きい過形成性ポリープや一部の腺腫では、内視鏡でポリープを切除することもあります。また、急に大きくなったりするポリープも内視鏡治療の対象になります。
内視鏡を使った治療は、お腹を切ることなく胃のポリープを切除できるので、苦痛もありません。しかし、手術であることに変わりはありませんので、出血などの偶発症もあります。切除後は、医師の指示に従い、できるだけ安静を保って下さい。

日常生活で気をつけること
胃はデリケートな臓器です。ストレスをためないようにし、規則正しい生活習慣を心がけましょう。食事の際には胃に強い刺激を与える食べ物、特に香辛料をたくさん使った料理や、強いお酒などは控えたほうが良いでしょう。食物はよく噛み、胃に負担をかけない食生活がポイントです。

また、慢性胃炎のある人は胃ポリープになりやすいといわれています。胃酸分泌抑制薬などによって胃炎を治しておくことも、ポリープ発生の予防につながるでしょう。

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逆流性食道炎

正解は・・・

食べてすぐに横になることは胃酸逆流の原因になります。食後は胃酸が多い状態になっているため、食べてからすぐに横になってしまうと物理的に胃の中身・胃酸が逆流してしまうからです。


■逆流性食道炎とは
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流するために起こる、食道粘膜の炎症です。
食道粘膜に炎症がなくても、胃の内容物が食道内へ逆流することで何らかの症状や変化がある場合は、「胃食道逆流症」と呼ばれます。
逆流性食道炎には複数の因子が関与しています。

1.下部食道括約筋の機能の低下

食道と胃のつなぎ目のところにあって胃の内容物が食道に逆流するのを防止する下部食道括約筋の機能の低下で、多くは食道裂孔ヘルニアが関係しています。
食道を通すため横隔膜に開いている孔を「食道裂孔」といいます。下部食道括約筋は本来この位置にあり、逆流防止の弁の役割を果たしています。しかし、胃が上の方へはみ出すと下部食道括約筋が弛緩し、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなります。ヘルニアは肥満や加齢などが原因といわれています。

胃酸過多

胃酸の出すぎで、これは主に食生活の欧米化、特に脂肪摂取量の増加などライフスタイルの変化に関係しています。

食道から胃へ食物を送り込む機能の低下

高齢者によくみられる食道から胃へ食物を送り込む機能の低下により、逆流した食物が食道内に長く留まることも一因です。

■逆流性食道炎の症状
逆流性食道炎の代表的な症状に胸やけ・呑酸(どんさん)があります。その他にも胃の痛み・胃もたれ・げっぷ・咳・喘息・のどの違和感(イガイガ・ヒリヒリ)・声がれなどが挙げられます。

■逆流性食道炎の検査法
胃内視鏡検査(胃カメラ)
胃透視検査(バリウム)

■逆流性食道炎の治療法
逆流性食道炎の治療は、食生活を含むライフスタイルの改善(後述の“日常生活で気を付けること”を参照)と、内科的治療としての薬物療法が基本です。
これで逆流性食道炎の大半の症状が改善されます。
治療が遅れ、食道が狭窄した場合には、風船のようなものを用いた内視鏡操作で狭窄を拡張する療法もあります。もし、これらの治療で改善されない場合などには手術も考慮されますが、よほどの重症例のみに限定されます。

薬物療法

逆流性食道炎の治療薬には、胃酸分泌抑制薬、消化管運動機能改善薬、粘膜保護薬、制酸薬等があります。症状によって単独、あるいは併用で使用されます。
逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流することで発生する病気のため、基本的には胃酸分泌抑制薬(胃を刺激する胃酸の分泌を強力に抑制する薬剤)による治療が必要です。
医師から処方された薬剤は、患者さん1人ひとりの症状にあわせて処方されています。指示された用法・用量を正しく守って服用して下さい。服用する時間は食前、食後等と定めてあり、薬剤が効果的に作用されるような服薬の仕方が示されています。

胸やけ等の辛い症状がとれたとしても治ったとは限りません。症状が治まったからといって薬の服用を止めると、薬によって保たれていた胃や食道内のバランスが崩れ、再発する可能性もあります。
よって、再発防止のために維持療法を行う必要があります。
維持療法には、同様に胃酸分泌抑制薬が使われます。また、定期的に医療機関を受診して下さい。医師による診断を受け、再発予防につとめましょう。

日常生活で気をつけること
逆流性食道炎は再発しやすい疾患です。
薬剤だけに頼ることなく、常日頃からの生活習慣の改善に心がけましょう。改善のポイントは以下の通りです。

1.食生活に気を配りましょう

脂肪分の多いものは消化に時間がかかり、それだけ胃酸が多く分泌されます。
また香辛料やコーヒーなどの刺激物は食道や胃粘膜を刺激するためできるだけ避けましょう。
食事を抜いたり大食い・早食いをすると、胃腸の運動に変化が起こり、胃酸の刺激を受けやすくなったり、胃酸が出過ぎたりします。
また、就寝前3時間は食事は控えましょう。食後2~3時間は胃酸が活発に分泌されるため、すぐに横になると食物が胃の中に長時間留まって、逆流しやすくなるからです。

2.肥満・便秘の解消に努めましょう

肥満や便秘、また長時間屈んだ姿勢での作業、ガードル、コルセット、ベルト、帯などによる胸部や腹部の圧迫は腹圧を上昇させ、下部食道括約筋の弛緩を促します。

3.喫煙はしない

喫煙は消化管粘膜のバランスがくずれたり、血行障害、下部食道括約筋の弛緩などを促します。
また、癌などの誘発因子ともなります。

4.過度の飲酒はしない

アルコールは下部食道括約筋を弛緩させ、炎症の起きた食道粘膜を刺激して症状が悪化します。

5.睡眠中の姿勢に気を付ける

睡眠中に症状の強くなる人は、寝る時に上体を少し高くして休むと逆流防止にが出来ます。

6.ストレスの解消

休養や運動を含め、ゆとりあるライフスタイルを心がけることも再発防止には重要です。
これらを守りましょう。

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胃癌(早期・進行性)

正解は・・・

進行癌は、黒色便、食事がつかえる、体重が減るという症状が出ることもありますが、癌がかなり進行していてもこれらの症状が出ないことがあります。胃炎、胃潰瘍の症状だと思い行った検査で偶然早期癌が発見されるというケースも報告されています。


■胃癌
胃癌とは胃にできる悪性腫瘍で、現在日本で最も多い癌です。
胃癌は、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因で癌細胞になって無秩序に増殖を繰り返すことで生じます。胃癌検診などで見つけられる大きさになるまでには、何年もかかるといわれています。大きくなるにしたがって癌細胞は胃の壁の中に入り込み、外側にある漿膜(しょうまく)やさらにその外側まで侵食し、近くにある大腸や膵臓(すいぞう)にも広がっていきます。癌がこのように広がることを浸潤(しんじゅん)といいます。
進行とともに胃壁深くに浸潤していき、やがて胃の周囲のリンパ節、肝臓、腹膜、肺などに転移し生命を奪います。原因についてはまだ解明されていませんが、ピロリ菌との関係が注目されています。
胃癌の発生については多くの研究が行われており、いくつかのリスク要因が指摘されています。中でも、喫煙や食生活などの生活習慣や、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染などが胃癌発生のリスクを高めると評価されています。食生活については、塩分の多い食品の過剰摂取や、野菜、果物の摂取不足が指摘されています。

日本人のヘリコバクターピロリ菌の感染率は、中高年で高く、若年層では近年低下傾向にあります。ピロリ菌に感染した人のすべてが胃癌になるわけではありませんが、現在、ピロリ菌の除菌療法が胃癌にかかるリスクを低くするという研究結果が集積されつつあります。感染していることがわかれば除菌療法が推奨され、定期的な胃の検診を受けることが勧められます。感染の有無に関わらず、禁煙する、塩や高塩分食品のとり過ぎに注意する、野菜、果物が不足しないようにするなどの配慮が重要となります。

■胃癌の症状
胃癌は、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。代表的な症状は、胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などがありますが、これらは胃癌特有の症状ではなく、胃炎や胃潰瘍(いかいよう)の場合でも起こります。検査をしなければ確定診断はできませんので、症状に応じた胃薬をのんで様子をみるよりも、まずは医療機関を受診し、検査を受けることが重要です。症状の原因が、胃炎や胃潰瘍の場合でも、内視鏡検査などで偶然に、早期胃癌が発見されることもあり、貧血や黒色便が発見のきっかけになる場合もあります。食事がつかえる、体重が減る、といった症状は、進行胃癌の可能性もあるため、早めに医療機関を受診する必要があります。

■胃癌の検査法
採血検査
胃透視検査(バリウム)
胃内視鏡検査(胃カメラ)

■胃癌の治療法
外科治療
胃切除(部分的に・全摘)
早期の場合はESD(粘膜切除)
┗入院が必要になるケースがほとんどです。
腹腔鏡下胃切除
内視鏡治療

日常生活で気をつけること

1.ピロリ菌の除菌

胃癌の原因は8割がピロリ菌と言われています。日本では、戦後の衛生状態の悪さから50,60代以上の方の多くがピロリ菌の保菌者です。ピロリ菌は胃潰瘍や胃炎だけではなく、胃癌まで引き起こすのです。そんなピロリ菌は、抗生物質を使い死滅させることができます。
ピロリ菌の除菌は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、委縮性胃炎などの診断が下れば健康保険が適用されますので大きな自己負担はありません。ただし、ピロリ菌を除菌することで逆流性食道炎やコレステロール値の上昇などの症状が現れる可能性もありますので、かかりつけの医師に相談してみましょう。

2.食習慣を見直す

日本人に胃癌が多い理由はピロリ菌の感染率の高さと、併せて料理の塩分が濃いことが挙げられています。胃癌を予防するためには、薄味の料理を心がけることが重要です。
それと併せて、度数の高いお酒を常飲することも避けましょう。胃の粘膜に過度の刺激を与える飲食物の取りすぎは避けるようにしましょう。

3.定期的に胃癌検診を受ける

胃癌は初期症状がほとんどない癌です。症状が出た時には進行してしまっている可能性があります。
そうならないためにも職場や自治体が行っている胃癌検診を毎年受けるようにしましょう。どちらも補助がありますので、ほとんど自己負担することなく受けることができます。

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機能性胃腸症

正解は・・・

胃もたれやみぞおち痛などのの原因が他の病気の可能性もあるので、内視鏡検査を始めとした血液検査、ピロリ菌検査、腹部超音波検査などの検査を症状位に合わせて行います。こうして取れた様々な検査結果総合的に診断をします


■機能性胃腸症とは
機能性胃腸症(Functional dyspepsia:以下、FD)とは、内視鏡検査をしても胃にがんや潰瘍などが認められないのに、胃のもたれや痛みなどのつらい症状があらわれる症候群です。「機能性ディスペプシア」と呼ばれることもあります。
現在の考え方では、FDは大きく分けて下の2つのタイプがあるといわれています。

食後愁訴症候群~食事に伴って起こるタイプ~
・胃もたれ感がある
・食事の際、すぐに満腹になる(早期満腹感)
心窩部痛症候群~胸から上腹部に痛みを感じるタイプ~
・心窩部に痛みを感じる
・心窩部に焼けるような感じがある

医師に掛かる6ヶ月以上前から、下の緑の枠内に示したような症状があり、それが最近3ヶ月間続いていること、そしてその症状がほかの病気を原因としない場合、FDと診断されます。
ただ、これらの症状のうちのどれか1つではなく、つらい症状の併発に悩まされている患者さんも実際には多いようです。
必ずしも明確ではありませんが、胃の失調によって胃の内容物が正常に腸に送られないこと、胃酸の出過ぎ、痛みを感じやすくなっていることなどが原因となり、そこに食習慣を中心としたライフスタイルの乱れとストレスの負荷などが加わって症状があらわれると考えられています。また、これらに加え心理的要因も大きく影響しているといわれています。

■機能性胃腸症の症状
○ 暴飲暴食をすると…
食べ過ぎによって胃の運動機能が低下するとうまく消化が出来なくなり、胃もたれなどの症状があらわれます。少しずつゆっくり食べることを心がけましょう。
○ 睡眠不足になると…
睡眠不足は自律神経のバランスを乱します。このバランスが乱れると胃の動きがうまくコントロールされず、胃のむかつきなどの症状があらわれます。睡眠はしっかりとるように心がけましょう。
○ 過労すると…
肉体的なストレスは自分で感じていなくても少しずつ溜まっていくものです。体に変調が起こると胃の粘膜が荒れて胃痛などの症状があらわれます。日頃からしっかり休養をとるような生活を心がけましょう。
○ 心理的要因で…
胃は脳のコントロールで動いているため、心理的ストレスに対しても影響を受けやすく、胸焼けや胃痛などの症状があらわれます。気分転換や睡眠でストレスの発散を心がけましょう。

■機能性胃腸症の検査法
血液生化学
胸腹部レントゲン線
胃内視鏡(胃カメラ)
超音波検査
などの検査が症状に合わせて選ばれる

■機能性胃腸症の治療法
機能性胃腸症の治療は対症療法を中心に行われます。
対症療法とは、病気によるつらい症状のそれぞれを和らげていくことを第一に考えて行われる治療のことで、機能性胃腸症の場合は薬剤による治療が中心となります。
主に処方される薬剤とその働きについては下記の通りです。
これらの薬剤で症状が和らげば治療は継続されますし、もし効果がみられなければほかの薬剤への変更、あるいはほかの疾患を視野に入れた検査などが行われます。

消化管運動機能改善薬…低下、あるいは亢進した胃腸の運動機能を正常な状態に近づける作用を持った薬です。
胃酸分泌抑制剤…胃を刺激する胃酸の分泌を抑える薬です。
抗不安薬…軽い不安や緊張に有効で、消化機能のストレス反応を和らげる働きがある薬です。

■日常生活で気をつけること

1.毎日、規則的に食事を取る

食事を抜くと胃腸の運動に変化が起こり、胃酸の刺激を受けやすくなったりします。朝食もしっかり食べるようにしましょう。

2.よくかみ、ゆっくり食べる

一度に食べ過ぎないようにします。早食いや大食いは、胃での滞留時間の延長により胃に負担をかけ、胃酸の過剰分泌にもつながり、消化不良や肥満の原因にもなります。

3.食事内容にも気を配る

脂肪分の多いもの、硬いものはそれだけで消化に手間取り、胃に負担がかかります。また同じ食材でも調理方法により消化が異なるため、油を使う揚げ物や、濃い味付け、強い香辛料の使用を避け、焼いたり、煮炊きしたりして消化に良い状態で食べる工夫も必要です。

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呑気症

正解は・・・

20~50代の女性に多いことが特徴です。臨床現場のデータでは男:女=1:4とまで言われています。ホルモンバランスの崩れる妊娠中や更年期のの女性がこの病気に多いというデータもあります。(あくまで参考データです)


■呑気症
呑気症の正式名称は空気嚥下症(くうきえんげしょう)と言います。
私たちは食べたり飲んだりするときに、普通の方でも少し空気を呑み込んでしまいます。少量であればまったく病気でもなく症状も出ないので問題ありませんが、呑気症の方の場合は日常生活のなかで無意識に大量の空気を呑み込んでいるのです。
日本でも多くの方(約8人に1人)が悩んでいる病態で、特に女性に多いようです。
原因としては、食べ方や話し方、呼吸の癖などが挙げられます。
また、一番の理由としてはストレスが関係しているといわれています。ストレスが原因で呑気症になった人は、自律神経のバランスが崩れて「過敏性大腸症候群」を併発してしまう場合があり、治療が困難になります。
ストレスの原因は勉強や仕事、人間関係で呑気症になる方が多いようです。

■呑気症の症状
大量の空気を飲み込むことによって、胃や大腸に空気が入り込み、胸焼けや腹部に膨満感がみられたり、ゲップ、ガスが異常に排出されるなどの症状を引き起こします。他にも、上腹部痛、頭痛などの症状がみられることもあります。

■呑気症の検査法
腹部レントゲン線
胃透視検査(バリウム)
胃内視鏡検査(胃カメラ)
腹部超音波検査
腹部CT検査
※上記の検査で呑気症自体を見つけるのではなく、癌などの器質的な病気がないことを確認し、臨床症状だけではなく症状の増悪・軽減因子にも注目して最終診断します。

■呑気症の治療法
呑気症は原因が明らかになっていないため、特有の治療法はありません。
症状を治せるわけではありませんが、薬を使うことで呑気症の症状を和らげることが出来ます。
漢方薬などがよく紹介されますが、身近な薬としてはガスピタンがオススメです。ただし、これは症状を緩和させるだけで治療にはなりませんので、注意が必要です。

日常生活で気をつけること
特有の治療法がないため、自身の病状の理解、生活習慣や食生活の改善、ストレスの解消などが重要になってきます。
食事はゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べるようにしてください。早食いは空気を大量に飲み込んでしまう原因になります。アルコールや炭酸飲料など、腸内でガスを発生させ易いものは避けましょう。脂の多いもの、香辛料なども症状を悪化させやすいのでNGです。また、ストレスの発散はとても重要です。運動・カラオケ・買い物など何でもいいので最低でも週一回は自分の時間を作りましょう。ただし暴飲暴食は厳禁です!

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