胃腸肛門ランド

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放置しても大丈夫なの?胃底腺ポリープ

みなさん、こんにちは。ご無沙汰しております。
前回の更新から随分と日が空いてしましました。また、胃腸と肛門の情報をコツコツとアップしていきます。
さて、4月。新入社員、新入生の皆さん、おめでとうございます。新年度になると多くの企業、学校で行われるのが健康診断ですね。
学校の健康診断ではないと思いますが、会社の健康診断では胃のバリウム検査が非常に多く行われています。

ここで指摘されることがあるのが、『胃ポリープ』です。
胃のポリープには

  • 胃底腺ポリープ
  • 腺腫性ポリープ
  • 過形成ポリープ

と大きく3つのポリープに分かれますが、バリウムの検査でどのポリープなのかはわかりません。

1つずつ解説をしていきましょう。
今回は「胃底腺ポリープ」です。

胃底腺ポリープはどんなポリープ?

胃底腺ポリープは、その名の通り胃底腺(胃酸などを分泌する)の粘膜に発生します。米粒大の小さな無茎性、または亜有茎性の隆起です。
数ミリ程度の半球状のポリープで、表面はなめらかで、特に色の変化はありませんが、多発します。
女性に多くみられ、女性ホルモンなどの関与の指摘もされていますが、はっきりした原因は不明です。

胃底腺ポリープができる粘膜は萎縮もあまりなく、状態が良好なことも特徴です。つまり、比較的元気な胃にできるということですね
また、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の関与も否定的です。
胃底腺ポリープは通常はがん化もしませんし、自然に消失することもあります
3つの種類の中では一番放置して問題がないポリープで、胃の内視鏡検査をしていると一番見かけることの多いポリープです。

胃底腺ポリープには症状があるの?

胃底腺ポリープは、胃酸分泌が盛んで萎縮が少ない胃粘膜に多く発生します。
そのことから、過酸症状(上腹部痛、胸やけなど)を自覚することがあります。
ですが、これはポリープそのものの症状ではありません

胃底腺ポリープは治療が必要?

では、胃底腺ポリープの指摘があった際にはどうしたらいいのでしょうか?
先述したように、胃酸が多いことによる上腹部通や胸やけの症状に対して、胃酸の分泌を抑える薬の処方が必要になることがあります
ですが、ポリープそのものの症状ではないことから、ポリープ切除といった治療の必要はありません
ポリープを切除する方が、その後の出血などのリスクがあるからです。
そのかわり、年に一度の内視鏡検査できちんと経過を観察することが必要です。

まとめ

どうでしたか?
3つのポリープの中でも、胃底腺ポリープは放っておいて大丈夫なポリープです。どのタイプのポリープなのかは内視鏡検査でないと、中には放っておくことのできないタイプのポリープの可能性もあります。
健康診断で指摘を受けたらきちんと精密検査をしに行きましょうね。

次回はひきつづき、「胃の過形成性ポリープ」について解説します。

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