胃腸肛門ランド

    ー Gastrointestinal anal land ー

子どもの過敏性腸症候群について

こんにちは、胃腸肛門ランドです。
今回も前回に引き続き、子どもの胃腸の病気についてお話ししていきましょう。
今回のテーマは過敏性腸症候群。
2回に分けてまずは過敏性腸症候群とはどんな病気なのかを知ってもらおうと思います。

過敏性腸症候群(IBS)とは?

腹痛や腹部不快感を繰り返す症状が長く続き(2か月以上)、排便の回数や便の性状の変化(下痢や便秘)をともなう腸の機能的な病気です。
「機能的」というのは、大腸の中に炎症や腫瘍などの病気(こういうものは「器質的」といいます)がなく、腸に動きに問題があるときに使われます。
過敏性腸症候群は子どもの腹痛を起こす病気として頻度の高いもののひとつであり、ストレスと関係が深い病気としてよく知られています。

過敏性腸症候群の症状は?

腹痛や腹部不快感を2か月以上繰り返し、腹痛は排便によって和らぐことが特徴です。
症状は軽快・増悪を繰り返し持続します。

過敏性腸症候群の発症頻度は?

成人の有病率は10%程度です。小児の有病率は小学生1.4%、中学1〜2年生2.5%、中学3年生〜高校1年生5.7%、高校2〜3年生は9.2%と、成長と共に成人の比率に近づくといわれています。

過敏性腸症候群の原因は?

過敏性腸症候群の原因は明らかにはなっていませんが、腸管の運動異常、腸内細菌の変化、アレルギー、免疫異常、精神的な要因などなど・・・多くの要素が原因に関わっていると言われています。
その中でも多い物をお話ししましょう。

1、消化管運動機能異常

腸は「第二の脳」とも呼ばれる独自のネットワークを持っており、脳からの指示がなくても独立して活動ができます。脳と腸お互いに密接に影響を及ぼしあうため、「腸脳相関(ちょうのうそうかん)」とも呼ばれています。例えば、脳が自律神経(さまざまな内臓器官の働きを調節している神経)を介して腸のストレスの刺激を伝えるとします。そうなるとお腹が痛くなり便意をもよおします。このように、ストレスが中枢神経を介して腸管神経系に働くと消化管(食道・胃・腸)の運動異常を起こしてしまうので、下痢や便秘などの便通異常が起こります。

2、内臓知覚過敏

過敏性腸症候群では、消化管の内臓知覚神経が過敏になってしまい、腹痛を感じやすくなります。こうした腹痛の増強や持続がさらに不安を増大させてしまいそれがストレスとなることで負の連鎖が起きます。この負の連鎖が症状の増悪に繋がってしまいます。

さて、少し難しいお話しもありましたが、過敏性腸症候群がどんな病気なのかわかっていただけましたか?
大人の方が過敏性腸症候群だと診断されている人が多いわけですが、子どもにもよくある病気です。
次回はこの続きのお話し、診断、治療などについて触れていきましょう。

コメントフォーム

*
*
* (公開されません)

胃腸肛門ランドの最新記事をtwitterにてお届け中!